少女好きによる、少女映画中毒 『エコール』

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いつもなんとなく他人の目線から自由になりたくて

小さい頃みたいに自由に動けなくなって

今までとはなんだか違う自分に戸惑って

ひたすら数人で完結する世界に浸って

死にたいって思った次の日に人生ってなんて楽しいんだろうってなって

自分のことが大っ嫌いで、でも大好きも共存してたりして

何を聞かれても教えてあげないのに、でも答えにたどり着いて欲しかったり

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「女の子ってよくわかんない。」

学生時代そんな風に自分のことや身近な人を思った

心当たりある方多いのではないでしょうか




女の子ってめんどくさい?

そんなことありません。

こんなに矛盾したものがたくさん一緒に入って魅力を放つ存在はそういません

その一筋縄ではいかない、かわいらしさが

そのコロコロ変わる、刹那的な不安定さが



どうにも心掴まれてしまうんです💘

親しくしたり、急に離れたりする人ってなんだか気になるじゃないですか?


🌸     🌸     🌸

少女の存在って

お花みたいで

繊細なガラス細工みたいで

終わりが見えるものの魅力です。

線香花火みたいな

桜みたいな

🌸     🌸     🌸



イノセントな少女たちが成長していくその不安定な過程が

少女映画ってセリフや仕草とかでそれが画面いっぱいに

表現されているんですけど

私はそれを見るのが大好きなわけです。



ということで

どうも、イチカワです

亀ちゃんと泉の次ということで

テーマがね、浮いてますよね

スポーツ→ハードボイルド→

少女です


なんかすみません。

今日から私のコラムが始まるわけですが

少女映画の魅力をね

伝えていけたらなぁって思っています。


最初に紹介させていただく映画は

『エコール』です

フランス映画

ミステリーな空気感で情緒的

幻想的で毒々しく美しい作品です。


監督*ルシール・アザリロヴィック

出演*ゾエ・オークレール、ベランジェール・オーブルージュ、マリオン・コティヤール、エレーヌ・ド・フジュロル


●あらすじ●

人里離れた美しい森の奥深くに少女たちだけの寄宿学校があった。

ある日、新入生イリスが棺に入れられて運ばれて来た。棺を取り囲む白い制服の少女たち。以前の記憶がうっすらあるイリスも少女たちと同じように白い制服に身を包み、年齢を表すリボンをつけて学校で自然の摂理とダンスを学んでいく。

イリスは上級生のビアンカに、この学校は高い塀に囲まれていて、時期が来るまでは外に出られないこと

外に勝手に出ようとすると厳しい罰を受けることなど様々なことを教わり

学校の生活に慣れていく。

しかし、ビアンカが夜になるとどこかへ出かけていることに気づきどこへ行っているのか問いただすと、ビアンカは決してその訳だけは教えてくれず、、、





この映画の魅力はなんたって

徹底された美しい少女の世界です⛪️

この学校は制服から体操着からバレエのレッスン着まで

全部少女たちは白いものしか着ないんです

ファッションからして“無垢”が表現されていて

何色にも染まっていない感。


白いプリーツスカートに白シャツの襟が!!丸襟!!最高です。

そして学年カラーのリボンを髪にみんなつけてるんですけど

いちいちカワイイ。三つ編みした根元と下どっちにもリボンつけちゃうんですよ。

このやりすぎ感もたまんないです。

何より白いバレエのレオタードにポニーテールにリボンつけた感じはツボすぎました

これ15年前にやりたかったなって、、、



そしてね

下着姿で湖で泳いだり

元気のない女の子のお世話をしたり

身支度をお互い手伝いあったり

この少女の距離感、親密すぎる距離感

懐かしいです

友達だけど

お互いがお母さんでお姉ちゃんで妹でっていう

女の子同士の親しい間柄って入る隙がない感じありますよね



あとバレエのシーン!蝶々の羽をつけて踊るんです

美しいです

これまた全部白です


この映画たぶん

蝶々の成長と少女の成長を重ねてるんです🦋

硬い棺で運ばれて着て

まだあなたたちは青虫です、美しい蝶になりましょうって

確かに卒業する頃の少女達はもうカワイイってより

綺麗って感じになってます

この成長が垣間見れる部分も少女映画の魅力です。



そして美しい学校、木の感じがいいんですよ

古い教会みたいな雰囲気

この映画の魅力を上げるときりがないんですけど、、、



それだけじゃなくて

少女として生きてる時ってとにかくこう無垢で純粋でいることがいいような

そんな空気感を常に周りから感じるんです

まあそれに気づいた時点で純粋ではないですけど

この作品では

マリオン・コティヤール演じる先生のセリフの「服従が幸福への道なのです」とか
最後のシーンとか
校長が女の子選ぶシーンとか

バレエの発表会のシーンとか

この映画全体の少女を見つめるような撮り方とか

なんだか少女に課せられた独特の現実を生々しく感じます

他者からの目線とか、扱われ方とか

「なんか窮屈だな」って少女時代に感じた、それがすごく感じられます

女性の監督が撮っているのでより鮮明です




この映画はですね答えがないんです

たくさん謎に包まれた設定が出て来て

映画がずっと霧の向こうにあるみたいなんです

少女だった人ならなんとなく、すぐ世界に入り込めると思うのですが

男の人はどうか完全に作品を理解しようと論理的に見ようとするのではなく

「未知の世界」を楽しんで欲しいです。

ぜひ、イノセントな少女たちの世界に入り込む体験をしてください




これはこれは高校時代にこの映画に憧れて、なぜか買ってしまったリボンたち。
もっとベルベットのちゃんとしたやつ買えばよかったです。今度買います。

東京国際映画祭 学生応援団

TIFF STUDENT SUPPORTERS

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