工業高校3年生。卒業後は大学に進学するサイモンと、実家の工場を継ぐ親友のタダタカシ。男だらけの生活に焦ったタダタカシは、サイモンとともに“運命の女”を探すための旅に出る。ギター片手に全力で突き進むタカシに対し、秘めた想いを伝えられないサイモン。夜空に流れ星が降った夜、それぞれの想いを抱えた旅は、予測できない結末へと進み出す。

主演も兼ねるルイ・ガレルの2本目の監督作。前作に続き自身の役名はアベルであり、その「誠実な男」アベルの戸惑いを軸に、マリアンヌの幼い息子の不思議な態度、ポールの妹エヴのアベルへの想いなど、様々な感情の往来がテンポよく、そしてユーモアを交えて描かれる珠玉のロマンティック・コメディである。 クラシカルなパリの街並の様子や語り口のセンスには、トリュフォーをはじめとした仏映画の伝統が詰まっている。 マリアンヌに扮するレティシア・カスタの悪女（？）ぶり、エヴを演じるリリー＝ローズ・デップの一途なキュートさ、そして恐ろしいほど美形の子役も必見。サン・セバスチャン映画祭脚本賞受賞作。