『愛がなんだ』レビュー【たけ】

究極の片思い

🎥コンペティション🎥
『愛がなんだ』
監督▶︎今泉力哉
出演▷岸井ゆきの、成田凌、深川麻衣、江口のりこ、若葉竜也、片岡礼子、筒井真理子
28歳のテルコはマモルに一目惚れした5ヶ月前から、生活全てがマモルを中心に動いてある。仕事中でも、真夜中でも、マモルからの電話が常に最優先。彼がそばにいてくれるだけでテルコは幸せ。しかし、マモルにとっては、テルコはただ都合のいい女でしかなかった。ある日、マモルの家に泊まったことから2人は急接近。ついに恋人に昇格できる!!と有頂天になったテルコは、頼まれてもいない家事やお世話に勤しみ、その結果、マモルからの連絡が突然途絶えてしまう。それから3ヶ月後、マモルから久々に呼び出されると、かれの隣には年上の女性が…。 

こういう拗らせ恋愛大好きです。
究極の片思い。ストーカー、もっといけばサイコパスともとれてしまうほどにマモルを愛してしまうテルコ。会社クビになってでもでも会いに行ってしまうって…。でも、そんな気持ちにどこか共感してしまう自分がいます。本気で人を愛してしまうとここまで狂える。観ていて爽快になれるぐらいの片思いです。

注目して頂きたいのは、テルコの周りの関係性です。友人であるすみれに、テルコと同じように一途に片思いをしている仲原。テルコと重なる部分が多い彼ですが、テルコとは違う道を歩もうと決意する、「駐車場」でのシーンは必見です。仲原すげえいいやつなんだよなあ…。ツバ吐くところ最高でした。ネタバレになるので、多くは語れませんが、是非仲原に注目です。
もう1つは食事のシーン。
上映後のQ&Aで今泉監督が仰っていたのは、「恋をしてしまうと食欲が落ちてしまうなんてことよくありますが、テルコはしっかり食べる。それが彼女の強さ」。だから彼女はあんなに強いんだ、と納得させられます。

気になる人には狂おしいほど気を配りまくる。周りの人なんでどうでもいい。付き合うまでの1番楽しい片思いの期間。こんな人周りに確かにいる。ていうか、それ自分かも。
好きってなんだ、愛ってなんだ。
好きがなんだ、愛がなんだ。
そんな葛藤がつまりにつまって、溢れ出ている作品です。

来年劇場公開で、もう一度観たいです。

鑑賞者 : たけ

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