移動映画館【キノ・イグルー】

ほかのメンバーの記事を読んでいる方はもうお分かりかと思いますが、早いもので今回の記事が最終回となってしまいました。


今回もいつもと同じようにある方にお話を伺いに行ったのですが、あれほどまで至福な時間というのもなかなか珍しいほど充実した時間でした。

早く書きたくて書きたくてウズウズしております、高林です。

それでは、早速書いていきたいと思います!最終回、一生懸命”映画館愛”をお伝えしていきますので、最後までお付き合いください。


タイトルにもありますが、今回は、開放的で自由な【移動映画館】について書いていきたいと思います。


キノ・イグルー

2003年に中学校時代の同級生、有坂塁と渡辺順也によって設立された移動映画館。東京を拠点に全国各地のカフェ、雑貨屋、書店、パン屋、美術館など様々な空間で、世界各国の映画を上映している。(キノ・イグルー公式HP引用:http://kinoiglu.com/


今回は、キノ・イグルーの有坂塁さんにお話を伺ってきました。きっとご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?


キノ・イグルーさんは様々な野外上映を都内に限らず日本各地で開催していますが、私は今年も恵比寿ガーデンプレイスのピクニックシネマに参加させていただきました。

高校の友達と右手に缶ビール、左手には焼き鳥を持ち、大人になったなあ、と昔を思い出しながら観る映画は映画館では味わえない少し変わった感覚でした。

この写真では左手にビールでした。ね。笑

芝生の上にシートを敷いて、各々好きな時間にやってきて場所を確保し、、、

私的にはこれだけでもワクワクするのですが、なんでこんなに野外上映ってワクワクするんだろう?このワクワクの理由は、有坂さんとお話ししている中に答えがありました。


NO RULE! NO STRESS!


これです。野外上映に来るお客さんは無意識のうちに「自由」を求めています。


あれ、映画ってこんなに自由に観ていいものなの?上映中何しても怒られないの?


実際にキノ・イグルーさんの野外上映会に参加したことがある方は、気づいているかもしれませんが、映画館と野外映画館との違い、有坂さんたちが最も重要視してること、それは、

”どこの体験が一番大切なのか”

「上映中は携帯の電源は切ってください。飲食は周りの人の迷惑にならないように配慮してください。」

そんなの分ってるよ!!!!!!


ですよね。館内アナウンスや上映前に必ず流れる注意勧告の映像、映画が特別好きじゃなくても誰もが知っているカメラが踊ってるあのCM。

聞いてるのか聞いてないのか分からないアナウンスですけど、流れるのが当たり前すぎて映画好きじゃなくても知ってる、というのがポイントですよね。

キノ・イグルーさんが開催する野外上映ではこの気づかない間に感じているストレスを感じずに、人それぞれ好きなように自由に映画を観ることができます。

”映画を観る”というのは一つの工程に過ぎず、「会場に行き、場所を取り、上映時間を待つ」この流れ自体を楽しんでいるお客さんがたくさんいるからこそ、会場全体の一体感や解放感を感じられるのです。


そして、この流れこそが一番感じてもらいたい大切な体験であるからこそ、キノ・イグルーさんのこだわりがたくさん詰まった野外映画館が完成し、たくさんの人が毎年来場します。


一番最初の記事で「完全自由席」の映画館について少し書きましたが、野外上映はまさしく「完全自由席」スタイルです。インターネットが普及し、オンラインで映画のチケットが買える今、待つことをしなくなった私たちを、当記事では「贅沢者」と言いましたが、待ち時間までも楽しんでしまう人たちは、もっと「贅沢」だと思いませんか?


なんだかその贅沢な映画の楽しみ方ができる環境がなくなっていく現代はとっても寂しいし、残念です、、、


せっかく映画祭の学生PR担当なので、少しだけ宣伝しますね。


実は東京国際映画祭でも、いくつか野外上映があります!

会期中は、六本木ヒルズアリーナを会場にスポーツをテーマにした作品を上映する予定です。

我らが応援団のカメさんが紹介するスポーツ映画もラインナップにあるかもしれませんね!


そして、東京のシンボル「東京タワー」をバックに映画を楽しめる”Tower Light Cinema"

実はこちらのイベントを立ち上げてくれたのはキノ・イグルーさんなんだとか!

ゴリゴリの映画ファンだけでなく、俗にいう”にわかファン”や、あまり映画に興味がない方でも来てもらい、素敵な体験をしてもらうために目指したのは


映画好きが集まる天国

映画好きって言ってるじゃん、ってね。

違うんです。参加者全員が好きなが映画3本書かれたカードを首から下げながら映画を観る、という一見ちょっと変わったイベントを昨年までは開催していたそうです。


「はじめまして、あなたはこの映画がすきなんですね!私たち気が合うかもしれませんね!」


なんて、なんなく話しかけることはとっても難易度が高いことですが、人の好きな映画ってどうしても気になりますよね?でも、なんだか自分の好きな映画を人に話すのも照れくさい。

私は、好きな映画は何ですか?という質問が正直とっても苦手です。映画の好みって、その人の考え方とか性格が顕著に表れてる気がしませんか?私だけでしょうか。だから、とっても悩んで、相手によって好きな映画変えたりしてます。内緒ですけど。

私はこの記事を書くために、有坂さんにアポイントを取って日程を決めたわけですが、はじめて顔を合わせたのは当日でした。


とっても緊張していたのですが、有坂さんから


「前のページ見てもいいし、何を見てもいいから自分の好きな映画を何本でもこのノートに書いてみてください。」


と言われ、自分の好きな映画を挙げていくうちにだんだん緊張も解け、顔も知らない人の好きな映画を覗くのは、なんだか少し悪いことをしている気分でしたが、いろんな映画があるなあ、と思っていたら。

「好きな映画が同じで気が合うな、と思ってたらもう一つ挙げられてる映画は自分の不得意な映画だったりする。なんだかこの人よくわからないぞ、って思っても人によって映画の見方ってそれぞれで、見ているところも全く違ったりするんだな、っておもしろいでしょ。」

会った人には必ず渡しているという、みんなの好きな映画が綴られたノートはもう8冊目だそうです。こんな映画もあったなあ、と思い出すのも楽しいですけど、人の好きな映画ってやっぱりその人がしっかりと表れてておもしろいな、と改めて思いました。

映画を観る=自分を見る


つねになにかに繋がっている現代だからこそ、映画を観ている2時間くらい自分を見つめ直す時間にしてもいいのではないでしょうか。

自分なりの見方を見つけて是非もっと映画を楽しんでください!
東京国際映画祭では、映画祭でしか観れない映画がたくさんあります!観たことないジャンルにも挑戦してみてください😊

それでは、最終回長くなってしまいましたが、これでお別れとなります。
最後まで読んでくれてありがとうございました😊

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