『ヒストリー・レッスン』レビュー【こばん】
さて、東京国際映画祭も2日目とな、コンペ作品一本目が上映されました!
🇲🇽『ヒストリー・レッスン』
監督▶︎マルセリーノ・イスラス・エルナンデス
出演▷ベロニカ・ランガー レナータ・ヴァーカ フェルナンド・アルバレス・レベール
【あらすじ・感想】
中学校の歴史教師、ヴェロは60歳で癌に侵されており、教師の引退を考えています。そんなある日、反抗的な生徒・エヴァが彼女のクラスに転入してくるのですが、そこから彼女の運命は少しずつ変化していくのです。
エヴァはヴェロの生活に侵入するようになり、やがてふたりの間に奇妙な友情が芽生え、互いの人生に影響を与え合っていく…そんなハートフルな物語です。
この映画の魅力は、なんといってもエヴァとヴェロの二人の"CHEMISTRY"でしょう。両者とも大きく感情表現をするタイプではなく、最初は反目しあうものの、徐々に着実にその感情は通じ合っていく。その過程の目撃者になっていることが、観ている側にとって大きな幸せになるのです。ヴェロを演じたベロニカさん本人も、「当初レナータ(エヴァ)のことがよくわからなかったが、撮影を通じてどんどん彼女を好きになっていった」と仰っていましたが、その感情の変遷がしっかりとこと物語にも刻み込まれていたのでしょう。
エヴァと関わることで、「一歩踏み出すことの勇気」を得ることができたヴェロ。代わり映えしない日常に少し刺激が欲しい、そんな方に観て欲しい映画です。
(それにしてもヴェロの夫、ダメ男だったなぁ…)
鑑賞者 :こばん
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