『武術の孤児』レビュー 【えいじ】

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【武術の孤児】
原題 武林孤儿 英題 Wushu Orphan 
監督ホアン・ホアン Huang Huang
出演 ジン・ジンチェン ホウ・ユンシャオ
あらすじ・感想
90年代後半の中国内陸部、中国武術を専門に教える中学校に赴任したルー・ヨンホン。生活のほとんどが武術の修行というような校風に文系教師として赴任したが戸惑いばかり。武術の修行に馴染むことができず脱出を試みるいじめられっ子のツイシャンは彼の悩みの一つであるが、そんなツイシャンの脱走をきっかけに教師としての役割や、学校での立場に変化が現れてくる…
監督のホアンホアン氏が、自身の父親に体育学校に入学させられて、そこから逃げ出した経験をもとに作り上げたストーリーということを上映後のQ & Aで知って、リアルな感情の描写に納得しました。閉ざされた世界に新しい風を吹き込むために入っていった教師ルーの理想的な教育現場とはかけ離れていたことを受け入れることの葛藤やツイシャンのやらなければいけないこととやりたいことのギャップ。他にも、紅一点のマドンナや校長の息子、勉強ができるのにできないふりをする少年など、それぞれが抱えているものを学校の中でどのように消化、昇華していくのか。そして、集団の中に居心地の良い面と悪い面、どちらに傾くのか。
鰯の群れの中に鯰をいれる、この作品の緊張感を独特ではあるけれども、この例えるのはこの言葉しかないのだと納得できました。一人ひとりの感情を少しの笑いを交えて感じられる作品でした。
鑑賞者:えいじ

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