【アマンダ】レビュー えいじ
🎞コンペティション🏆
【アマンダ】
原題Amanda
監督 ミカエル・アース Mikhaël Hers
出演 ヴァンサン・ラコスト Vincent Lacoste
イゾール・ミュルトゥリエ Isaure Multrier
ステイシー・マーティン Stacy Martin
あらすじ・感想
パリで便利屋のようなことをしている青年のダヴィッドは、田舎からパリに出てきたレナに出会い恋をする。しかし、その直後に突然の悲劇によって姪のアマンダの親代わりとなる。姪と叔父としての距離感の保たれた関係性から、突然責任のあるまるで親子のような関係性へとならざるを得なくなってしまった二人が、悲劇と向き合い乗り越えていくのか、フランスの美しい街並みを背景に…
正直に言いますと、この作品を観たあと、これを自分の言葉で説明して伝えるには自分の語彙力では難しいと感じました。
まるで一枚の絵画の中に入り込んでしまったかのような美しい街並みの背景に、どうしようもない悲しみを受け止める人々の心が浮き出されている。平和でそれなりに充実した人生がある日突然に奪われてしまう。同じ悲しみを持ちながらも一人では生きていけないアマンダがダヴィッドを励ましている姿は微笑ましいけれども、そこには隠しきれない悲劇の影を感じてしまう。それぞれの抱える事情もありながら、その悲劇を憎しみに変換し自ら折り合いをつけるのではなく、かけがえのないものを失った喪失感を乗り越えて前に進んで歩いていくことが和やかではあるが緊張感を保って響いてきました。
この作品を経験して、映画の娯楽としてだけでなく、「文化」「芸術」として側面の魅力や大切さを感じ、母と娘をつなぐ言葉の意味と、残された二人の希望を現代の壊れやすい社会に伝えてくれる大切な映画でした。
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